人としてどうあるかー本学(人間学)の大切さ
こんにちは、豊かな島づくりの豊嶋です。
特に10代・20代の若い皆さんの中には、「自分はどう生きるのか」「どんな道に進めば良いのか」と、進路やキャリアに悩む方が多いのではないでしょうか。
進学を考えている方なら、
「どんな高校・大学に進むべきか」「10代・20代で何を学んでおけばよいのか」
働き始める頃には、
「どの会社を選ぶべきか」「語学・会計・ITなど何を身につけるべきか」「USCPAはどうか」「MBAは海外がいいか」
など、迷いや不安は尽きないと思います。
まず大前提として、人生の選択に“唯一の正解”はないと考えています。
人はそれぞれ置かれた環境も個性も違います。自分の好きなこと、得意なこと、価値観に合った学びや仕事を選ぶことはとても大切です。
しかしその一方で、国籍・性別・年齢に関係なく、 人として生きる上で変わらず大切な「原理原則」——すなわち本学(人間学)があります。
現代の学校教育ではあまり扱われない分野なので、初めて聞く方もいるかもしれません。
けれども、知識偏重やAIの進展が加速する今だからこそ、この本学(人間学)はますます重要になります。
今日は、この「本学(人間学)」とは何か、そしてなぜ大切なのかをお伝えしたいと思います。
◆10代・20代のうちに何を学ぶべきか
― 本学と末学の違い ―
「本末転倒」という言葉は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
学問には大きく「本学」と「末学」の二つがあります。
この二つをまとめて「本末」と呼び、それが逆になることを「本末転倒」と言います。
では、本学と末学とは何でしょうか。
●本学(人間学)
「人はいかに生きるべきか」「どうあるべきか」を学ぶ学問。
論語・孟子などの四書五経、陽明学、偉人の伝記、哲学などが含まれます。
●末学(時務学)
会計・語学・IT・マーケティングなど、
その時代に必要とされる知識やスキル のことです。
産業革命のときは機械を動かす技術、マニュアル遂行力、現代ではIT・AIスキルなど、
時代の変化とともに求められるスキルは移り変わります。
これが末学(時務学)です。時々に応じて務めを果たすための学びです。
一方で本学は、
「人としてどのように生きるか」という根本的な学問であり、
時代が変わっても重要性が変わりません。
例えば、孔子が弟子に語った論語の中には「思いやり」「正しさ」「礼」「謙虚さ」といった、
人としての普遍的なエッセンスが詰まっています。
江戸の寺子屋や吉田松陰先生の松下村塾でも、本学(人間学)が中心に教えられていました。
しかし現代は末学が中心となり、本学を学ぶ機会、人間性を育む機会が大きく失われています。
これが「本末転倒」の状態です。
◆本学がなぜ大切か
もちろん、末学(時務学)も大切です。
孟子の「恒産なくして恒心なし」という言葉の通り、
安定した経済基盤(恒産)があってこそ心のゆとり(恒心)が生まれます。
高校・大学を卒業すれば、まずは自立し、
自分の仕事のスキルを磨く必要があります。
営業、財務、AI、研究開発……どれも欠かせません。
しかし、末学がうまく機能するのは、
本学による“人間的な土台”がある時だけです。
木に例えるなら、
幹や枝葉を支えるのは“根っこ”です。
根が弱い木は、どれだけ見た目が立派でも倒れてしまいます。
「どう生きるか」「どう在るか」という軸がないまま、
スキルだけを積み重ねても、長期的にはうまくいきません。
これは自然の法則そのものです。
◆私自身の歩み
私は23歳までは、「偏差値の高い大学に入りたい」「有名企業に入りたい」と、
末学のことばかり追いかけていました。
その結果、傲慢さや感謝の欠如から、人間関係で失敗したこともあります。
24歳のとき、恩師との出会いを通して本学(人間学)を学び始め、
心の在り方や人としての土台を見つめ直すようになりました。
本学(人間学)の学びと実践によって、
「自分はどのように生きたいのか」
「人としてどのように行動するのか」
という人生観や、人間性が磨かれます。
そのうえで初めて、個性や能力、スキルが良い方向に働きます。
力という個性を持っていても、思いやりがなければ「暴力」となり、
思いやりがあれば「弱い人を守る力」に変わります。
個性は“心の在り方”でプラスにもマイナスにも変わります。
だからこそ本学を欠いたまま難関資格やMBAを取っても、スキルだけを磨いても、
心や人間性を育むことをしなければ、パートナーや家族関係がうまくいかなかったり、
上司や周りの人とうまくいかなかったり、色々と人生悩むことになりかねません。
◆スティーブ・ジョブズの言葉
巨万の富を築いたジョブズも、すい臓がんで亡くなる最期にはこう語りました。
「私が持っていけるものは、愛情に満ちた思い出だけだ。
それこそが本当の豊かさなのだ。」
どれほど富や肩書を得たとしても、死ぬときには何も意味をなさず、
最後に残るのは自分が努力して磨いた人間性、愛情、真心なのだと考えさせられます。
◆最後に
末学(時務学)はもちろん大事です。
しかしそれだけでは不十分です。
人としての根を張る「本学(人間学)」を若いうちにこそ学び、
心・人格・生き方の土台を築いて頂けたら嬉しいなと心から願っています。
長文になりましたが、以上です。
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