技術以上に大切な「人のこころ」―東洋大学ラグビー部福永監督の話を聴いて
豊かな島づくりの豊嶋です。先日2月24日(火)に致知出版社様にお声掛けを頂きまして、東洋大学ラグビー部福永監督のお話を聴かせて頂く機会がありました。
福永監督は、二部リーグに所属していた東洋大学ラグビー部を、29年ぶりに一部リーグ昇格へと導き、さらに絶対的覇者・東海大学を撃破するという快挙を成し遂げられました。
しかし、その栄光の裏には、振り返れば幾度となく訪れた困難な境遇がありました。それらを都度、不撓不屈の精神で乗り越えてこられた歩みを、深く学ばせていただきました。
家庭は決して裕福ではなく、幼少期から新聞配達を続ける日々。
高校時代には名門校野球部でエースで四番を務めながらも、怪我により断念。そこからラグビーへと転身されます。
ラグビーでも全日本代表に選出されるほどの実力を持ちながら、度重なる大怪我との闘い、バーンアウト。さらに監督に就任してからは、技術指導だけでは越えられない壁に直面されました。
そこで導入されたのが、人間教育——学内致知木鶏会でした。
一人の人生でありながら、まるで何人分にも匹敵する濃密な体験と気づき。深く胸を打たれました。
その中でも、特に印象に残った学びを記します。
印象的なお話と気づき
■ 掃除の徹底
東洋大学ラグビー部の監督に就任されてから、技術的な指導を重ねても、なかなか試合に勝つことができない。技術指導による限界と壁。そこで「人間教育」を軸に据える決断をされたといいます。
監督ご自身も、選手時代に度重なる大怪我に苦しまれた経験をお持ちです。その苦境の中で、人からいただいた言葉や、書籍との出逢い——とりわけ 凡事徹底(鍵山秀三郎先生)——が、生きる希望を失わず逆境を乗り越える支えとなったそうです。
その実体験があったからこそ、「人間学」に触れることの大切さを、確信をもっておられたのだと感じました。
実際に掃除の徹底から始めてみると、部員の中に少しずつ変化の兆しが現れます。
最初は一人で黙々と掃除をする部員が現れ、やがてそれに呼応するかのように、一人、また一人と続いていったそうです。
私自身も前職では、できる限り毎日、エントランスや会議室の掃除、椅子の整頓を行っていました。目に見える部分を整えることは、目には見えない心を磨き、整えることに直結している——そのように実感しています。
そうした積み重ねの結果、その部員は日本代表に選出され、チームとしても勝利を重ねるようになったとのこと。
目に見えない部分を磨くことが、やがて目に見える成果へと繋がっていく。その原理を、改めて教えていただきました。
■敬意 ― イギリス大使館での黙とう
一部リーグ昇格後の初戦。対戦相手は強豪・東海大学。
試合当日、近くを通ったイギリス大使館で、その日が エリザベス2世 の命日であることを知ります。
ラグビー発祥の国への敬意、そして哀悼の意を込めて、監督と部員は大使館に向かって深く一礼されたそうです。
その後の試合は、最後まで苦戦しながらも、歴史的とも言える大勝利。
一人ひとりが心を高めているチームは、自らを律する力(自力)を養うだけでなく、仲間への感謝や思いやりによって支え合い(他力)、仲間との結束も強めていきます。そして最後には、天が味方をする——いわば天運とも呼べる力が働くことがある。
私は、こうした出来事は決して偶然ではないと感じていますし、量子力学的な分野でも明らかにされつつあります。
「非科学的だ」「因果関係があるのか」と、心を磨くことを後回しにし、技術やテクニックのみを追い求める。部活動でも、企業経営でも、一時的には成果が出ることはあっても、やがてどこかで歪みが生じる。それは歴史の数々の事例が示している通りです。
■むすびにかえて
東洋大学ラグビー部のスローガンは、
「Be more human」――もっと人間であれ。
この理念を掲げるだけで終わらせず、日々の実践に落とし込んできた結果、今では「人間的成長のできるラグビー部」として注目を集め、多くの選手が入部を希望。リーグ戦ではマナー賞を受賞するなど、確かな成果へと繋がっているそうです。
人として正しいことを、正しいままに貫く。

原理原則に沿った組織運営こそ、王道であり、持続的発展の道である——監督の人生経験・実体験を通して、その重みを学ばせていただきました。
貴重な学びの機会に、心より感謝申し上げます。
豊かな島づくり代表
豊嶋純平
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