長野県伊那市の行政訪問と、組織運営の本質

豊かな島づくりの豊嶋です。

先日、2月6日、7日の2日間で長野県伊那市を訪問し、行政の取り組みについて学ばせて頂きました。もともとは株式会社GOJO.様とのご縁の中でご案内をいただいたことがきっかけです。

「豊かな日本を創生する」という大義のもとに活動を展開している私としては、日本各地域の良き取り組み事例には、民間・地域行政を問わず非常に関心があります。それらを現地で自分の目で見て学び、発信していくことも日本創生に繋がる活動の一環であると考え、今回参加させていただきました。

本記事では、伊那市の行政の取り組みから感じた学びと気づきを共有させていただきます。


■ 教育移住という発想

長野県伊那市は移住者も増えており、非常に面白い取り組みが進んでいる自治体です。

特に印象的だったのは、「教育移住」を施策として打ち出している点です。教育環境の充実を求めて移住してくる子育て世代が増えているとのことでした。

昨今は人口減少に伴い、地域の小中学校の統廃合が進んでいるという話をよく耳にしますが、伊那市では統廃合は行わないという方針を掲げています。学校を残したまま「小規模特認校」として再生し、少人数教育や自然の中で豊かな心を育む教育を実現しているようでした。

人口減少が進む地方において、教育制度の充実を軸に移住を促進している市政の姿勢には、率直に素晴らしさを感じました。


■ 移住者と地域住民のつながり

移住者が地域に溶け込むためには、移住者側の歩み寄りと、もともとの地域住民の寛容さの両方が必要だと私は考えています。

これは会社経営や組織運営にも通じるもので、転職者の努力と既存社員の受け入れ姿勢の双方があってこそ組織は円滑に機能します。

伊那市では、市庁舎を拠点として誰でも気軽に立ち寄れるイベントを積極的に開催しており、移住者と地域住民が自然に交流できる場づくりが行われていました。移住者同士、既存住民同士で固まりがちな中で、行政がその中間的な役割を担っている点は非常に重要だと感じました。


■ フィンランドとの地域連携

里山や豊かな自然に恵まれた伊那市では、2019年よりフィンランドの北カレリア地域との地域間連携を進めています。

市職員が現地を訪問したり、フィンランドをテーマにしたイベントを開催したりと、地域間の交流を積極的に行っているとのことでした。

私自身、学生時代にフィンランドへ留学した経験がありますが、福祉や教育の分野において学ぶべき点は多くあります。他国との連携を通じて相互に学び合い、人材交流や施策導入を進める取り組みの重要性を改めて感じました。


■ 人口減少への取り組みと人財体制

人口減少対策として、市が結婚相談所を運営している点も印象に残りました。人口問題は国家や地域の存続に関わる課題であり、こうした分野に行政が関与する意義は大きいと感じました。

また集落支援員18名、地域おこし協力隊21名といった体制が整えられており、移住支援や地域活性化に関わる人材が充実している点も特徴的でした。

市政でも企業経営でも、良い理念や施策があっても人材不足によって実行できないケースは多くあります。その点において、実行力を支える人員体制の重要性を改めて感じました。


■ 伊那市から学べる組織運営の本質

伊那市は移住希望者数で全国上位に位置するなど注目を集めていますが、その背景には個別の施策以上に、組織運営の在り方があると感じました。

・市長が明確なビジョンを掲げ求心力を持っている
・理念やビジョンに共感した志ある人材が集まっている
・新しいことに挑戦できる組織文化が醸成されている
・部門横断で全体を統合する機能が働いている

これは行政に限らず、企業やあらゆる組織に共通する本質だと思います。

魅力的な施策は結果であり、その前提となる理念や組織基盤がしっかりしていることこそが、伊那市の最大の魅力であると感じました。


■ 訪問を通じて感じたこと

地域行政であっても企業組織であっても、組織である以上その本質は同じです。明確な理念やビジョンがあり、人が集まり、創造的に挑戦できる文化がある組織は、永続的に成長し続けます。

伊那市の取り組みは地域創生の一つのモデルであり、会社経営の支援を行う立場としても多くの学びがありました。

地域の在り方、組織の在り方、そして日本の未来を考える上で、非常に示唆に富んだ時間となりました。

豊かな島づくり代表

豊嶋純平

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